沖縄の鉄道遺構を訪ねて~壺川東公園

壺川東公園 シュガートレイン

戦前、沖縄本島中南部を走っていた沖縄県営鉄道は戦争を機に廃線。それから2003年にモノレールが開通するまでは、鉄道は存在しなかったように思われがちだが、実は、戦後、沖縄県内に機関車が走っていたことは意外に知られていない。

壺川東公園 シュガートレイン

その機関車は南大東島で砂糖運搬で活躍。「シュガートレイン」と名付けられた機関車は1983年まで島内を走っていたそう。その線路は29kmもあった。

壺川東公園 シュガートレイン

約半世紀前まで南大東島を走っていたシュガートレインの車両2両が那覇市の壺川東公園で保存され、近所の子供たちの遊具として余生を過ごしている。

※これらの写真を撮ったのは9月30日ですが、昼間でも30℃を超えるため、誰一人外で遊ぶ子どもはいませんでした

写真は2両が保存されているうちのディーゼル機関車。

壺川東公園 シュガートレイン 壺川東公園 シュガートレイン

完全保存されているディーゼル機関車の後ろには荷台かとおもったら、蒸気機関車の下部の部分らしい。

壺川東公園 シュガートレイン

これらが南大東島で走っていたことを示す碑。

壺川東公園 沖縄県営鉄道線路跡 壺川東公園 沖縄県営鉄道線路跡

そして前から。下に線路があるが、これは、この公園を造成するときに発掘された沖縄県営鉄道の線路。幅がせまく、走っていた汽車も小さかったことから「ケービン(軽便鉄道)」と呼ばれ、県民に親しまれていたそうだ。

3年前に旧那覇駅跡の転車台遺構を紹介しているが、ここは戦前、その那覇駅から古波蔵駅へ向かう途中の線路にあたる。ちなみに古波蔵駅からは本島中部へ向かう嘉手納線へ分岐していた。

壺川東公園は、現在の鉄道に置き換えると、旧那覇駅跡にある旭橋駅から空港方面へ1駅・壺川駅を下りて徒歩5分ほどの住宅地内にある。

※公園の案内板では「壺川駅」となってましたが、壺川駅は存在しなかったようです。

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