せいかつノート

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最近は神戸の帰ると懐かしさのあまり「神戸ノート」を必ず1冊、買って帰るようになった。土産にするには1冊120円で安上がり。でもノートの単価としては高い部類だろうか。買ったノートはもうすぐ5歳になる娘にそのままプレゼントしている。これまで「自由帳」「おけいこちょう」「さんすうちょう」を買った。「自由帳」は、自由奔放でお絵かきや、適当に折った折り紙を貼り付けたり、シールが貼られていたりと、小学生より自由奔放に使い込んでいるし、「おけいこちょう」は、ところどころプリキュアのシールが貼られているが、自分なりに覚えたばかりのひらがなやカタカナの練習用として使っているようだ。「さんすうちょう」も数字を書く練習用に使っているが、おけいこちょうほどは活用されていないようである。

そして今回の帰省でみつけたのが「せいかつノート」。私の世代には存在しなかった「神戸ノート」である。表紙は王子動物園前の新聞配達少年のオブジェ、裏表紙はポートタワーに向かって万歳をしているオブジェであり、表紙の色は黄土色である。このノートは小学校低学年向けで「生活科」という教科で使うノートである。

せいかつノート

生活科とは理科と社会を合わせたような教科らしい。ノートをめくると最初は兵庫県と日本の白地図が印刷されている。そういえば私が小学生時代に使っていた社会科帳にも刷られていたものと同じである。兵庫県の地図に地名は「神戸」だけしか書かれていない。そこが「神戸ノート」の神戸ノートらしいところでろうか。日本地図には「神戸」と「東京」、そして「那覇」と「名瀬」しか地名が書かれていない。那覇があるなら札幌もあって良さそうだが、北海道には何も書かれていない。県庁所在地ではない「名瀬」があるのは、神戸に多い奄美出身者への配慮なのだろうか。よくみると不思議な地図である。

せいかつノートの地図

中身はノートの前半が「神戸ノート」の「りかのきろく」と「えにっき」風な絵と字が書けるページ、後半が「社会科帳」風の文字だけが書けるページになっている。また表紙の裏には下記のような文章が刷られている。

()る。調(しら)べる。(つく)る。
 (いえ)のようすはどうなっていますか。
 (いえ)のまわりにはなにが有りますか。
 (いえ)食事(しょくじ)はどうやって出来ますか。
(さが)す。(そだ)てる。(あそ)ぶ。
 学校(がっこう)までの(みち)で何が有りますか。
 花や木、虫や動物のようすはどうですか
 山、川、海、などどのかかわりはどうですか。

原文のまま、ふりがなもそのまんまなのだが、小学校低学年が対象と思われるのに、後半の漢字にふりがながないのは、今でも活版印刷で刷っていて、ふりがな用の活字が足りなくなったのかと心配してしまうほどの適当さである。

生活科という教科は1992年から小学校低学年の理科と社会科を組み合わせてスタートした科目だという。私が小学生時代には存在しなかった教科で、当然「せいかつノート」も存在してなかったのだが、今回、手に取ってみると初めて見たにも関わらず、どこかしら懐かしく思えてきた。早速、娘に渡すと、絵を書くマスには絵を描いていたが、字を書くマスには字の他に、チューリップらしき花を書いて遊んでいた。