プリキュアと行く沖縄

子供が見ているので、ついつい見入ってしまっている「フレッシュプリキュア」。未就学児童向けのアニメにしては物語が作り込まれており、親子で楽しめる内容になっている。恥ずかしながら、私も少しはまってしまっているのだが、本日放送の「フレッシュプリキュア」は舞台が沖縄であった。

このアニメ、いや、この手のアニメは、実在しないフィクションの街が舞台になっている場合が多いのだが、その中にあって、主人公達の中学生の修学旅行先が沖縄という実在の場所が出てくるのは異例である。

アニメの中で登場した場所をメモ代わりにざっと列記したい。

まず、いきなり国道沿いで露店形式で売られている「アイスクリン」の店が登場する。このアイスは今帰仁村のビックアイスという業者が、地元の中学生らをアルバイトとして雇い、本島全域の幹線道路沿いで販売しているアイスクリームである。冬でも当たり前に見られる光景である。制作者の意図として、今日の舞台は沖縄であることを植え付けるためのカットなのだろう。個人的にはおっぱ乳業のソフトクリームが沖縄で一番おいしいと思う。

そして那覇空港到着の画面。かなりリアルに描かれている。到着したのは国内線ターミナル26番ゲートあたり。彼女たちが乗ってきた飛行機は何かと話題のJALであることがわかる。そのあと、主人公達はバスで移動し、読谷村の座喜味城跡。ここは世界遺産であり、琉神マブヤーのロケ地としても知られる。しかし、である、その直後、画面は識名園に移る。識名園は琉球王国の国王が中国の使者を招くために作られた庭園。しかし場所は那覇市にある。したがって、この修学旅行は那覇市→読谷村→那覇市という非効率なコースを探訪していることになる。

識名園の後、沖縄文化を体験できるテーマパークっぽいところを経由して首里城に到着する。首里城も那覇市であるが、途中にあるテーマパークらしきところは、那覇市内には存在しなさそうである。ここには、琉球ガラスが展示してあり、琉球家屋で三線を弾く老人がいたり、そしてデイゴの木がある。デイゴはこの時期に花を咲かせないが、なぜか満開であった。ちなみにデイゴは沖縄県の花。通常は5月頃に花を咲かせる。咲く花の数が多いと、その年は台風が多く来ると言われている。単なる迷信と思っているのだが、沖縄に来てまもなく8年になるが、近所にあるデイゴの花の数とこの言い伝えは見事に合致している。ちなみに今年はあまり咲いていなかった。

首里城では一般的に二千円札で有名な守礼門が出てきても良さそうだが、その場面はない。アニメでは「瑞泉門」を経由して正殿へ入っている。

気になるのはそのあと、赤瓦が特徴的な琉球家屋が建ち並ぶ町並みに来るが、琉球村や玉泉洞王国村などの観光施設に復元されたもののようにも見えるし、電柱が乱立している光景は石垣島沖合にある竹富島の町並みにも似ている。ここは具体的に特定が難しい。

最後にパイナップル食べ放題の施設で休憩の画面。おそらく本島北部のナゴパイナップルパークではないだろうか(アニメでは「パイン農園パパファーム」という施設)。でも実際のパイナップルパークと比べると素朴な風景である。そしてビーチでバーベキューに到る。

アニメでは出てこなかった沖縄定番観光地は国際通り、守礼門、美ら海水族館、ひめゆりの塔などに代表される南部戦跡巡りだろうか。アニメではサーターアンダギーの店などが登場しているが、国際通りらしからぬ店構えや周辺の風景である。国際通りは沖縄を代表する観光地のように思われているが、その実体は単なる土産物屋が立ち並ぶ通りに過ぎない。守礼門は首里城内なので通っている可能性はある。中学生の修学旅行なので、おそらく南部戦跡巡りも代表的なところは行っていてもおかしくはないだろう。

巨大シーサーと戦う(?)

ざっと振り返ってみて、沖縄で生まれた娘を、この中で連れて行ったことがあるのは那覇空港ぐらいしかないことに気づいた(美ら海水族館や石垣島、竹富島へは行ったことがあるんですが...)。もし今日のプリキュアを見て「沖縄に行きたい」というお子様をお持ちの方は、観光の参考にしていただければ幸いである。

写真は巨大シーサーに立ち向かう(?)愛娘
(撮影場所:日本銀行那覇支店のシーサー、09年4月撮影)