Googleのサービスを使い倒していると思われがちな私でも「Googleウェブマスターツール」というサービスはあまり利用していなかったのだが、久しぶりにアクセスしたところ、かなり充実していてびっくりした。そもそもこのサービスはホームページ検索用のデータを収集するGooglebotと呼ばれるソフトウェアの動きをホームページ設置者=ウェブマスターがコントロールできるもので、一時はSEO対策でもてはやされたサービスである。私の場合、Googlebotがいつデータを収集して、どのページがリンク切れになっているのかといったレポートを覗く程度であったが、最近、これが面白いレポートを見せてくれるようになった。
まず「統計情報」。特に「上位の検索クエリ」は訪問者が、どのような検索語でホームページを訪問しているかをレポートしている。これはサーバーのアクセス統計でもわかるのだが、Googleウェブマスターツールのそれは、どの単語で検索したときに、Googleの何位に表示され、どの単語を検索したときによくクリックされるのか...ということを多角的に教えてくれるのである。
たとえば「ふるさと切手」「htaccess 携帯」でGoogle検索するとkazamidori.net内のページが検索結果の1位で表示されるのだが、実際、検索結果をクリックしてkazamidori.netへ訪問した数を示す「上位の検索クエリのクリック数」というレポートを見ると、検索語ベスト3は「漫湖(検索結果3位)」「google wireless transcoder(検索結果2位)」「gmail drive(検索結果6位)」となっていた。ちなみに検索結果1位の「htaccess 携帯」はクリック数では5位、「ふるさと切手」はクリック数で6位である。つまり検索結果が1位でも、必ずしも訪問してもらえるとは限らないことが、このレポートで見えてくる。
このレポートではウェブ検索や画像検索の検索語の切り分けや、世界各国のGoogle検索の国別のレポートを分類して見ることもできる。それによるとアラブやインドのGoogleから検索して訪問してくれた人もいるようである。
また「Googlebot のクロール情報」では、どのような文字列でリンクが貼られているかを上位200位までレポート。「クロールに関する情報」では全ページの中でPageRankの高いページを教えてくれる。
次に興味深いデータは「リンク」。これは各ページがどのページからリンクされているかを教えてくれる。サーバーのアクセス統計だけではわからないような、5~6年前に掲示板の書き込みに含まれたリンクなども探し出してくれる優れものである。これらはトップページだけではなく、途中のページのリンクであっても各ページごとにレポートされ、「Google Analytics」とともにチェックしておくと面白いだろう。
なお、このGoogleウェブマスターツールは、Googleアカウントを持っていれば、ただ申し込むだけでよい。運用もGoogle Analyticsのようにすべてのページにコードを貼る必要はなく、トップページのヘッダーに所定のタグを埋め込むだけでよく、あとはGooglebotが来るのを待てば、これらの情報をチェックすることができる。