ミントカラーリ

我が子も2歳を過ぎたあたりから少しずつ言葉のキャッチボールができるようになってきた。非常に嬉しいことである。朝起きるとその日見た夢の内容らしきことを、夜には保育園で誰と遊んだとか、先生と何をしたのかといった報告を2歳児なりにしてくれるようになった。そんな中、時々、娘独特の表現が口から出てくることもある。たとえば、ある日の夜、寝る前に服を着替えさせようとアロハシャツ風の服を見せると、その服を指さして「ミントカラーリの服」と言って、自分で手に取り着替え始めた。しばらくは「ミントカラーリの服」とつぶやきながら、その服を着てうろうろしていたのだが、いったい、その服の何が「ミントカラーリ」なのだろうか。そもそも「ミントカラーリ」とは何なのだろうか。何度か娘に「ミントカラーリって何?」と尋ねても、教えてくれなかった。彼女が言う「ミントカラーリの服」にはピンク地に花やパイナップルの柄がプリントされたもので「ミントカラーリ」の語感から考えられるものは何も描かれていない。しかし、その語感はなんとなく実在していてもおかしくないような雰囲気である。

今日現在、Googleで検索したところ1,000件がヒットするが、ヒットするページのほとんどは「ミント」「カラーリング」という単語が同じページにあるものばかりで、ずばり「ミントカラーリ」という単語を載せたページは実在していない。その証拠にダブルコーテーションで括って検索すると0件になる(そのうち、このページが検索されてくると思うが...)。

2歳児が生み出した「ミントカラーリ」という言葉には、宮沢賢治の童話に出てくる「クラムボン」のような、意味不明ながらも意味深な言葉のように思えて仕方がない。