娘と二人旅

今日は、もうすぐ2歳になる娘を保育園から連れて帰ると見せかけて、保育園から娘を連れ去った後、モノレール、飛行機を乗り継いで神戸の実家へ"拉致"した。早い話が私が娘を連れて帰省するわけだが、今回、妻は仕事が年度末で忙しいために那覇に残り、私と娘の二人だけで神戸へ帰ることとなった。

去年は娘がまだ歩けなかったことと、妻がいたことで飛行機の中では"ワークシェアリング"で楽だったが、今回は保育園のクラスで一、二を争うほどの「ウーマクー(沖縄方言で「わんぱく」という意味)」に成長した娘を神戸到着までの約1時間30分、私一人で面倒を見なければならない。ちなみに飛行機は2歳まで無料で乗れるが、そのかわり座席の割り当てがない(でも航空券は発券される)。つまり機中では私と一心同体なのである。

なんとか無事、神戸に到着して、この記事を書いているのだが、予想通り、ここまで、大変な道のりであった。まず、娘を迎えに保育園へ行くと、娘がウンチをした後らしく、先生たちが裸同然で走り回る娘を着替えさせるのにてんてこ舞いになっていた。しかも替えのズボンもなくなったとのことで、私が神戸で着替えさせるためのズボンをリュックから取り出す羽目に。不幸にも娘の着替えはリュックの一番下に入れていたため、機内で食べる予定のサンドイッチや神戸で遊ばせるためのパペット、私の着替えなどを教室内にぶちまけて、汗だくになりながら、娘を着替えさせた。

そして飛行機。3歳未満の子供を連れていると他の搭乗客より優先して搭乗できることから、私たち親子は飛行機に一番乗りできたのだが、席についてしばらくすると、なぜかぐずりはじめた。離陸していなかったこともあり、気にかけてくれた乗務員のお姉さんがあやしてくれると娘はおとなしくなってくれた。ぐずっている娘を抱っこして、すでに疲弊していた私にまで「トイレは大丈夫ですか?」と心配りをしてくれるとは「さすがはサービス業のプロ」と感心してしまった。飛行機が離陸すると娘の機嫌もよくなり、機内で出されるジュースを「うめ~」と言いながら飲み干し、図々しくもおかわりまでもらう有様。乗務員が来るとジュースがもらえると悟った娘は彼女たちが近づくたびに「キター!!」と叫ぶようになってしまった。いったい。このような言葉はどこで憶えてくるのだろうか。将来が心配である。

ちなみに機内では窓側の席に座れたのだが、神戸の夜景が見られる席は反対側だったため、那覇を離陸して神戸空港に着くまでは、ほとんど何も見ることができなかった。百万ドルの神戸の夜景で疲れを癒したかったのだが、実に残念である。

神戸空港では私の両親、娘から見て祖父母が出迎えてくれた。何しろ神戸の祖父母と会うのは1歳の誕生日以来、約11ヶ月ぶりであり、娘はキョトンとしていたのだが、神戸空港駅でポートライナーを待っている間に思い出したのか、祖父に飛びつき、その勢いで祖父はその場でしりもちをついてしまった。そういえば去年3月、神戸に来たとき、帰る直前まで娘は祖父と二人っきりで遊んでいた姿を思い出した。

今回は妻が同行しないことから、あまり会う機会がない人たちに囲まれて、娘がさびしがるのでは...と、少し心配であったが、家に着くと家の中を走り回ったり、祖父母に近づいて笑顔を振りまいたり、かくれんぼをしたり...と、那覇の自宅と変わらない娘の姿があった。