Gmailを独自ドメインのメールボックスとして使う

「Gmail」というサービスをご存知だろうか。あのGoogleが行っているフリーメールサービスである。サービスの概要は以下のようなものである。

  • メールボックス容量が約2.6GB(ギガですよ、ギガ)
  • 無料なのにメール本文に広告がつかない
  • 普通のメールソフトでも設定をすれば利用することができる
  • Webメール画面もシンプル
    • ツリー表示はむしろ斬新で、場末のWebメールより使いやすいかも
  • 迷惑メールフォルダがある
  • Webメールにアクセスした状態でGoogle検索ができる

私はこのGmailをメーリングリストやメールマガジン等の購読用として使っているのだが、実はこのGmail。使いようによっては無料であるにもかかわらず、プロバイダのメール以上に活用できる代物なのだ。

また最近、Gmailは自分のGmailのアドレス以外のメールアドレスを使ってメールを送ることができるようになった。たとえば「username@gmail.com」というメールボックスを使って「username@kazamidori.net」のメールアドレスでメールを送ることができる。

そして、独自ドメインのメールに届いたメールをGmailに転送するようにしてやれば、なんとGmailの無駄に大きいメールボックスを独自ドメインのメールボックスにすることができるのだ。

Google Apps for Your Domain(Googleアプリ独自ドメイン向け)の運用、設定はこちらをご参考ください。ただし本稿ではネームサーバーの設定変更ができない独自ドメインサービスを利用している場合に参考になると思われます。

ただ、それだけでは芸がない。Gmailの機能をフルに活用すれば巷のホスティングサービスが提供するメールサービスよりも活用できるだろう。

(1)1個のメールボックスで複数のメールアドレスを運用
私が利用しているドメイン取得代行業者「VALUE DOMAIN」では、ドメインを取得した時点で、100個の転送メールアドレスを使うことができる。個人で100個もメールアドレスを使うことはないと思うが、これを「VALUE DOMAIN」の設定にしたがって「CATCH ALL」設定にしておき、そのメールの転送先をGmailのアドレスにしておく。するとメールアドレスの「@」より左側の部分にどんな文字列が入っていても受信ができるようになる。こうすることによって何ができるかというと、たとえば、購読するメールマガジンや懸賞を応募するごとにメールアドレスを使い分けることができる。しかも、この方法だと100個どころか無限にメールアドレスを作ることができるので、数千種類のメールマガジンをそれぞれ個別のメールアドレスで購読することも可能である。もし、その中から迷惑メールが届くようになると、どこの業者が漏らしたかもわかる。もちろん逆に、転送メールは1個のメールアドレスだけでも可能である。

※迷惑メールの場合、Gmailの迷惑メールフォルダに自動的に振り分けられる

(2)Gmailの設定
転送メールアドレスの設定ができれば次はGmailの設定である。まず、しておきたいのは、Gmailの差出人を他のメールアドレスでも使えるようにする設定である。

  1. Gmailにログオンし「設定」から「アカウントの設定」を開く
  2. 「他のメール アドレスを追加」をクリックし「名前」と「メール アドレス」を入力
    • 名前は何でもよいが、メールアドレスは自分のドメインのメールアドレスを指定
  3. 画面の指示に従う
  4. すると、Gmailの受信トレイに「Gmail の確認」というメールが届くので、そのメールに記載されているURLをクリック。「確認が完了しました」というメッセージがでれば設定完了

(3)Gmailの振り分け設定を最大限に活用
これまでの設定だけでは、ただのメールボックスである。さらにパワーアップさせるにはGmailのフィルタ設定を最大限に使う。これは使い方によってさまざまな設定が可能なので、私が実際に利用している方法を一例として記しておく。

例:私宛に届くメールのうち、特定のメールだけをAさんのメールアドレスへ転送したい

  1. Gmailの「メール設定」の「フィルタ」画面に入る
  2. 「新しいフィルタ作成」のリンクを開くと「フィルタ条件を指定」の画面になるので、転送したいメールの振り分け設定を行う
  3. 「次のステップへ」のボタンを押すと「操作の選択」画面に切り替わる。この条件を満たす設定だと「次のアドレスに転送」にチェックし、Aさんのアドレスを入力

上記3については利用方法によっていろんな設定が可能である上、複数の設定も可能であるため、表向きはひとつのメールアドレスで、メールの条件によっては複数のメールボックスにそれぞれ違うメールを転送することができる。しかもGmailのメールボックスに指定したメールが入ると同時に、Aさんのアドレスへも転送される。転送したメールはそのままGmailのメールボックスに残るので、お互いの好きな時間にそのメールを読むことができる。

(4)運用
Gmail側でPOP設定をしておけば、メールソフトでメールにやり取りが可能である。しかもGmail側で迷惑メールをフィルタリングするので、メールソフトで迷惑メールを受信することはほとんどない。

実際は独自ドメインの転送メールではあるが、Gmailを経由させることによって、独自ドメインのメールボックスとして活用することができるのだ。特に(3)は、無数の設定が可能なので、独自ドメインとGmailアカウントをお持ちの方は試してみてはいかがだろうか。