今月、神戸の親友より震災10周年資料などに紛れて面白いものが送られてきた。それを見た途端、あまりの懐かしさに思わず望郷の念が沸々とおこってきてしまった。それは「一億円札」である。
最近、偽札やら盗んだお札を捨てるなどといったお金にまつわる事件が相次いでいるが、神戸の一般庶民の間では古くからこの「一億円札」を家に飾るという奇っ怪な風習がある。この一億円札の大きさは縦16cm、横34cmの大きな物で、かつては生田神社へ初詣に行くと参道で無料で配られていたものであり、それゆえに縁起物とされていた。ちなみに、この一億円札を作っているのは生田神社にほど近い神戸サウナ。つまり、一万円札に似せたサウナ屋の広告チラシなのだ。ただ、あまりにも立派に偽造...ぃゃぃゃ、精巧に作られているため、まことしやかに金運がつくと言われ、神戸では家や店の壁に飾る人が多い。私の実家でも震災当時まで住んでいた家では聖徳太子時代の一億円札が長いあいだ、飾られていた。金運はどうだったかは、ご想像にお任せするとして、この一億円札、飾るときは普通に飾るのではなく逆さまに飾るのが流儀とされている。理由はよくわからないが、普通に飾ると金運が逃げていくそうだ。せっかく送っていただいたので、早速、私の部屋にも貼ってみることにした。
そういえば昨日の新聞で一万円札を撮影して作られた簡易保険のポスターが通貨偽造にあたるのではないかという記事が出ていたのだが、この一億円札は大丈夫なのだろうか。実は裏面も精巧に作られていて、すかしの部分にサウナの地図や営業時間が刷り込まれているのだが...。