大地震を予言していた『神戸新聞』

神戸から持ち込んだ阪神淡路大震災の関連資料を読み返していると、面白いものが出てきた。それは1995年1月8日の『神戸新聞』のコピーである。そう、あの兵庫県南部地震が発生する9日前の新聞である。この記事の見出しは「京阪の断層300年も沈黙 M7級地震 近く続発か」。9日後の大地震を予言していたかのような記事である。

『神戸新聞』1995年1月8日付け朝刊

記事では立命館大学理工学部の見野和夫教授の研究によると、琵琶湖から大阪にかけての断層で300年以上目立った地震活動がなく、マグニチュード7クラスの地震のエネルギーを蓄えている可能性が高いと指摘、そして見野教授は「関西は地震に対する意識が薄く、防災体制が不十分」と警告している。実際、兵庫県南部地震を引き起こした断層は、この記事で指摘された断層帯ではなかったが、何人の人がこの記事に気づいていただろうか。

ちなみに、なぜ私がこの記事に気づいたのかというと、震災にあった後、家の片づけをしていたときに、たまたま、この記事を見つけたのだ。

同じようにして見つけた記事にこんな記事もあった。1995年1月17日朝刊(地震直前に配達された新聞)

神戸で震度1 十六日午後六時三十二分ごろ、神戸で震度1(微震)の地震があった。大阪管区気象台によると、震源地は大阪湾。震源の深さは約二〇キロ。

今では、この地震が「前震」とされているが、残念ながら私は気づかなかった。が、母は気づいていたようだ。