昨日、Yahoo!のトップページにあるトピックスで「日本一狭いホーム、24日でお別れ」という項目を見つけた。ひょっとしてこれは...やはりそうだった。阪神春日野道駅ではないか。しかも写真つき。思わず郷愁に浸ってしまった。
私は「阪急」の春日野道駅の近くに30年ほど住んでいたが、阪神電車でしか行けないところ(例えば今はなき深江の新神戸大プールとか甲子園とか)は阪神春日野道駅から電車に乗って出かけていた。当時住んでいた家からだと阪神電車の場合、三宮駅へ行くのと時間的には変らなかったが、どういうわけか阪神春日野道駅をよく利用していた。
あの独特の薄暗い雰囲気、人がすれ違ったら線路に落ちそうなほどの恐ろしく狭いホーム。地下にある駅なのに電車が接近するとカンカンカンと鳴り響く踏み切りの音。まさに恐怖の世界である。ただ、どういうわけか、私は子供の頃からこの駅の雰囲気が好きだった。
十数年程前、当時のバイト先の女の子と雑談で、この駅が話題になったことがある。この駅の存在について「ほんとにそんな駅があるんですか~ぁ」など言うばかりで信じてもらえなかった。それもそのはず、彼女たちはJRで明石から神戸へ通っていたので、阪神春日野道駅を知るわけがないのだ。百聞は見にしかず。「スカート厳禁、歩きやすい靴で来るように」の注意のもと、彼女たちを阪神春日野道駅へ誘った。その理由は駅に着いて納得していただいた。まずあの狭い地下ホーム。電車が通過するとき、ものすごい突風が吹き付ける。下手をしたらその突風で反対側の線路に落ちてしまうかもしれない。そして、ホームと改札口をつなぐ階段は急な上に、電車の通過に関係なく常に強い風が吹いている。これは地下との気圧の違いで吹いているのだろう。とにかく婦女子には過酷な環境なのだ。
彼女たちは駅にはそれなりを衝撃を受けたみたいだが、この駅の周辺の雰囲気に感動したようである。当時、この駅の南側は工業地帯であったが、北側は春日野商店街が連なる。500mほど行くと阪急春日野道駅がある。この時は春日野商店街ではなく大安亭市場へ案内したような気がする。震災前ではあったが春日野商店街は人通りが少なく、廃れいく商店街そのものだったが、大安亭市場は活気に満ち溢れていた。
沖縄へ移住する前日、預金口座の解約のために、春日野商店街の中にあった銀行へ行ったのだが、商店街はさらに衰退しているように見えた。今はどうなっているのだろうか。昨日、ネットで見た写真を見ると「島式」ホームの両側に新しいホームが写っていた。
夜、夢に出てきそうな駅のホームも9月24日をもってお役御免となるそうだ。