昨日早朝、沖縄本島で震度5弱の地震が発生した。
「阪神・淡路大震災」のとき、神戸のど真ん中で震度7を体験している私にとって、その瞬間はあの震災を思い出させるほどの揺れであった。兵庫県南部地震は午前5時46分に発生、今回の地震も午前5時31分であり、発生時間もほぼ似通っている。
兵庫県南部地震と同様、今回も寝ていたところを強い縦揺れで起こされた。縦揺れは3~5秒ぐらい。とっさに隣で寝ている娘の上に覆い被さった。縦揺れが収まったあと地震の波は瞬間的に収まったが、その後、大きな横揺れが長時間続いた。時間にして30秒ぐらいだっただろうか。
揺れている間、娘はまったく目を覚まさなかった。娘をかばいながら直感的に「震度5」はあると感じた。なぜなら「兵庫県南部地震」の「最大余震」は神戸で震度4だった(1995年1月17日5時50分と同日7時38分)。その「最大余震」よりも揺れは大きかったと感じたからだ。
揺れが収まりテレビをつけるとオリンピック中継に緊急地震速報の画面が表示され、すぐにニュースに切り替わるところだった。ニュースは地震速報よりは津波警報にウエイトが置かれていた。テレビの音に娘が寝ぼけまなこで起きてきた。娘は最近、私が神戸から持ってきた阪神・淡路大震災の本とビデオに興味を持っていたこともあって「地震があったの?」と何度も聞き返していた。そういえば前の晩「地震って怖いよねー」と話していた矢先でもあった。
自宅から徒歩7~8分ぐらいのところにあるNHK沖縄放送局の映像を見ると、大して揺れていないように見えるし、震度情報では那覇市は震度4であった。
我が家の被害としては本棚から写真立てと妻の鏡台からマニキュアが落下した程度ですんだ。
※ここまでは昨日早朝「Google Buzz」で報告した内容を補完し、再構成したものです。
新聞報道によると沖縄本島での震度5の地震は99年ぶり。地震国日本において大地震の発生頻度は少ないようだ。ただし誤解のないようにしておきたいのは、あくまでも本島だけであって沖縄全県で見ると2004年10月15日に与那国島で震度5弱(マグニチュード6.6)の地震があるし、日本初の緊急地震速報が出た地震は2008年4月28日、宮古島を中心とした地震である(宮古島で震度4,ちなみ、この日私たち家族は神戸に帰省中)。そのことを考えても沖縄でも大地震のリスクは高いことには間違いない。
さて、今回の地震被害も世界遺産「勝連城跡」で石垣が崩れたのをはじめとして各地で水道管破裂、そして水タンク落下被害が多発しているとのこと。被害に遭われた方には申し訳ないが、水タンク落下という被害はおそらく沖縄独特のものではないだろうか。
沖縄では戸建ての家の屋根には必ずといっていいほど水タンクが設置されている。1981年から翌年にかけての渇水による326日にも及んだ時間指定断水からの教訓から、各家庭で水タンクを備えるようになったそうだ。「備えあれば憂いなし」の水タンクも、地震の前では無力であった。水の備蓄は地下にすることも考える必要もあるのではないだろうか。
実は昨年から今年にかけて沖縄では水不足に見舞われていた。本島での断水は避けられたが、ダムの貯水率が40%台にまで落ち込むこともあった。つい最近まで沖縄総合事務局では県民に節水を呼びかけていたが、今月に入って雨の日が続いたこともあってダムの貯水率が70%台に回復。ほぼ平年並みの貯水率に回復している。
そして今日、テレビではチリ地震津波の警報が出ていた。娘は昨日の朝に見た沖縄地震の津波警報と同じような画面だったこともあって「また地震が来る」と、昨日の地震で落ちてきた写真立てを本棚から下ろして「警戒」体制に入っている。チリ地震津波では、沖縄本島では午後3時に2mの津波が予想されている。