最近、Google AppsではないGmail(gmail.com)のメールアドレスを全く利用していないことに気がづいた。何しろ独自ドメインでgmail.comのGmailと同じ機能のメールサービスを利用していると、どうしてもgmail.comは使わなくなってしまう。メールソフトにもgmail.comのアドレスは設定していない。
gmail.comのアドレスはWhois(独自ドメインの所有者情報)の連絡先のアドレスにしているため、ドメイン名の更新の連絡など事務的なメールが時々入ってくる程度で、迷惑メールも全くないほど"過疎化"しているメールアドレスなのだ。また、このアドレスに届いたメールはGoogle Apps側のメールアドレスから「Mail Fetcher」で自動的に取り込んでいるため、直接、アクセスすることもなかった。
最近、Gmailにいろんな機能が追加できるらしいという噂を耳にしたことから、久しぶりにWebからGmailにアクセスしてみた。噂では設定画面で言語を「English (US)」にすると機能を追加できるというもの。しかし、この方法で裏技的にGmailの機能を拡張する方法は当サイトでも過去に何度か紹介している。しかし今回の機能は、これまでのものとは一線を画すものだった。
英語版の「settings」(設定)画面に「Labs」というタブが現れる。そして、このタブを開いてみると、追加できる機能がなんと25個もあるではないか。試しに訳もわからず、全部「Enable」にして機能を追加してみた。25もある機能の中にはGmail標準のキーボードショートカットをカスタマイズできる「Custom keyboard shortcuts」や、マウスのちょっとした操作でWebメールで様々な操作が行える「Mouse gestures」、スターの絵柄を最大12種類追加できる「Superstars」、個人的には前々から改善して欲しかったメール返信の時に元のメールの宛先全員にメールを返信できる機能を拡張できる「Default 'Reply to all'」といった実用的なものが含まれる。だが、中には「なんだこれは?!」という機能もあるので、そのいくつかをご紹介したい。
Email Addict
この機能を追加すると、Webメールの画面右上に「Take a break」というリンクが現れる。リンクをクリックすると、読んで字のごとく休憩モードになる。休憩モードに入ると休憩時間を促すメッセージが表示され、Gmailの画面が灰色になり、操作が一切行えなくなる。ちなみに途中で休憩をやめる場合はブラウザの更新機能(WindowsだとF5キーを押す)を使うことにより復帰できる。
Mail Goggles
メールを送信するとき、簡単な計算式を解かないとメールが送れないという機能。
送信ボタンを押すと計算式が表示され、すべて正解して初めてメールが送れる。問題を解くには60秒の制限時間があるが、制限時間が過ぎた場合や、1問でも間違った場合は、すべてがクリアされ、再度、新しい問題が出題される。ちなみにこの機能の日本語訳は「眠気&飲酒チェッカー」。酔った勢いでヘンなメールを送らせない機能のようであり、この機能を有効化する時間帯も設定できるうえ、計算式の難易度も5段階で調整できる。これらの設定は「Srttings」のリンクを開き「General」タブの「Mail Goggles」の項目で行える。
なお、この「Labs」(Gmail Labs)の機能を「English (US)」で有効化したあと、日本語版に戻しても、これらの機能は利用できる。ただし今のところ日本語版の設定画面ではLabsのタブは出てこないので、機能を追加したり、無効にしたりするには「English (US)」にした上で、設定しなおさなければならない。
また、現在のところ、Google Appsのメールでは、ドメイン設定で「新機能をオンにする」「拡張版 (アメリカ英語のみ)」にしてもLabsの機能は追加できないようである。
[2008年10月23日追記]GoogleAppsのメールアドレスでも、Gmail Labsが利用できるようになった。本稿の手順で機能の追加、設定が可能である。