Movable Type バージョンアップの落とし穴

先日、ブログツール「Movable Type」のマイナーバージョンアップ(3.34→3.35)があった。内容としては3.34以降に見つかったセキュリティ対策とインストールの簡素化ということになっている。毎回のことであるがMovable Type(以下MTと略す)のバージョンアップでは、推奨の方法として、サーバーにすでにあるMTの2,000個程度もあるファイルをいったん削除して、ほぼ同数の新しいファイルをアップロード、そしてCGIの属性変更などの作業を行わねばならず厄介である。推奨とはいえ、古いバージョンのファイルをすべて削除していいのかというとそうでもない。まず、デフォルトで使用している場合はバージョンアップの前に以下のファイルを残しておくか、事前にダウンロードして、再度アップロードする必要がある。

※全部入れ替えるのがめんどくさい人は「小粋空間」で3.34から、今回、変更になったファイルのリストが公開されています


  • 設定ファイルである「mt-config.cgi」
    • MTの心臓部とも言うべきファイルなので万一に備えて日常的にパソコンに取り込んでおくとよい
  • 標準のプラグイン「StyleCatcher」を使ってテンプレートを頻繁に変えている場合は下記のフォルダと、その中身すべて
  • /MTをインストールしたディレクトリ/mt-static/themes
  • MTをインストールしているディレクトリに追加したプラグインやcronの実行ファイル

また、今回の3.35のバージョンアップではデータベースもバージョンアップされることから、データベースのバックアップを必ず行う。またバージョンアップ失敗の自体に備えて、旧バージョンのMTファイルを全てパソコンに残しておくことをお勧めしたい。

そして全部を入れ替えてのバージョンアップに成功した後で、指定日投稿機能を使っている場合は下記ファイルのパーミッションを変更しておくことも忘れずに。

/MTをインストールしたディレクトリ/tools/run-periodic-tasks

実は私、これを忘れていたために、指定日投稿がないにも関わらず、サーバーからエラー報告のメールを受け取ってしまった

なお、今回のバージョンのうち、セキュリティ対策の一部にはバージョンアップだけでは有効にならないものがある。それは「コメントプリビュー」テンプレートのタグの一部書き換えである。詳しくはMTのサイト( http://www.sixapart.jp/movabletype/news/2007/04/17-1400.html )に記載されているので参考にして頂きたいが、1個のMTのプログラムで複数個のブログを運用している場合は、それぞれのテンプレートを書き換える必要がある。しかし、これは管理画面の「検索・置換」機能でテンプレートを指定して作業することで少しは楽に作業ができる。

今回のバージョンアップに限ったことではないが、私のように、MTをバージョン2.xの頃から使っている方は、バージョン3になってテンプレートで使用するタグも地道にバージョンアップしていることがあるので、発見次第、書き換えておくことをお勧めする。

ちなみに、この手のもので私が見つけたものは、バージョン2.xの標準テンプレートで「投稿者名」を表示させる役割をもっていた「<$MTEntryAuthor$>」タグ。これは管理画面のログイン名を表示することから、セキュリティの観点から、バージョン3になって「<$MTEntryAuthorDisplayName$>」を使うことが推奨されている。このような情報は各バージョンのマニュアルでしか公表されないので、バージョンが上がった場合は時間があるときにでも、あの膨大なマニュアルに目を通すことをお勧めしたい。