関西人にとって、サザエさん以上に慣れ親しんでいる漫画といえば、はるき悦巳原作の『じゃりン子チエ』だろう。アニメは何度も繰り返し再放送され、原作も約20年間の連載で単行本にして全67巻(加えて番外篇2巻)が刊行された。そして来年、『漫画アクション』(双葉社)の連載が終了して10年を迎える。
実は私は1993年に発足した「関西じゃりン子チエ研究会(略称:関じゃり研)」の代表を務めているのだが、最近、この関係で、ちょっとした企画に関わることが多くなった。たとえば今年10月~11月にかけてアニメのDVD-BOXが発売されたのだが、このDVD-BOXに同梱されるブックレットの企画に関わった。実はこのDVD-BOXは4年前にも同じ内容のものが発売されたのだが、今回、発売元を替えて再発売されることとなった。ただ今回のDVD-BOXは「関じゃり研」経由の売り上げを見る限り、2002年に発売されたDVD-BOXと比べ3倍近くの売り上げをはじき出しているのである。
そして「関じゃり研」発足のきっかけとなったのが、当時の謎本ブームに乗って出版された『じゃりン子チエの秘密』(データハウス刊)である。実はこの本、今月2日より全国の書店で「新装版」という形で再版されていることがわかった。この本の著者の代表である私に、なんの連絡もなく出版されていたので、ちょっぴり驚いている。事前に連絡をいただければ新装版どころかその後の"研究成果"も加筆して「増補版」として出せたのに残念でならない。出版社に確認したところ、この新装版は表紙以外は93年に出版された『秘密』と同じとのことだ。
ただ、ここに来て『じゃりン子チエ』のアニメDVDや謎本が再発売されるのは興味深い現象である。もしかすると来年は四半世紀ぶりに『じゃりン子チエ』ブームが再燃するのではないかと思わずにはいられない。
※「じゃりン子チエの秘密 新装版」の表紙では通天閣が描かれていますが『じゃりン子チエ』の舞台は通天閣周辺ではなく大阪市西成区周辺です。興味のある方は「関じゃり研」のホームページをご参考ください