ピタゴラスイッチの魔力

アンパンマンの絵本や歌は好きなのに、アンパンマンのアニメに全く見向きもしない我が娘。そんな娘が最近、はまっているテレビ番組がある。それはNHK教育テレビで放送されている「ピタゴラスイッチ」だ。特に「アルゴリズムこうしん」「アルゴリズムたいそう」はお気に入りで、このコーナーが始まるとお尻をフリフリして、リズムを取りながら、自己流の振り付けで踊っている。

先日、このCDを買ってきたところ、家にいる間は何度も繰り返し聴いては、自己流の「アルゴリズムたいそう」をしていた。しかしそばで聞かされる私たちにとっては一種の洗脳である。何しろこのCDには「こうしん」と「たいそう」の2曲が収録されているのだが、それぞれに、お笑いコンビ「いつもここから」の2人が歌うバージョン、1人ずつが歌うバージョン(やまだ版、きくち版)が収録されており、CDを1回演奏するたびに最低でも3回は同じ曲を聴かされることになるのだ(これらとは別にカラオケも収録されている)。時には我々にこの曲に合わせて踊るように強要することもある。

さて、この番組、NHKでは「幼稚園、保育所」に通う子供を対象にしているのだが、大人が見ても面白い。我々の世代だと「カリキュラマシーン」から、ひらがなの学習部分を除いたような番組といえば、だいたいのイメージがつかめるのではないだろうか。

短い番組内でたくさんのコーナーが展開される。特に圧巻なのは、番組の要所で流れる「ピタゴラそうち」。これを文字で説明するのは難しいので、実際に見ていただくことをお勧めする。来月には、この「ピタゴラそうち」をまとめたDVDが発売されるという。またアニメ「10本アニメ」は、この番組の対象者には難しいのではないかと思えるぐらいシュールである。

一方で子供に見せたくないコーナーもある。それは「お父さんスイッチ」。あんな、ちゃちなリモコンで父親を操れると思われては困るので、特に判断力が未熟な1歳児に見せてはいけない。しかし、我が娘はこのコーナーも好きなようで、お父さんがユーモラスな行動をとると「あはは」と笑っている。さらに「お父さんスイッチの作り方」のコーナーでは、画面に指をさして「これは?」「これは?」と尋ねてくることがある。その際は「こんなスイッチで大人を動かせると思うなよ」と思いつつ、とりあえず「箱」とだけ答えている。