産婦人科の病室で思ったこと

2004年10月24日 20:18

実は妻が切迫流産のため、先週木曜日から入院している。私も昨日の夕方から今日にかけて病室に泊まり込んでいたのだが、そこでテレビをつけてびっくりしたのは「新潟県中越地震」のニュースである。阪神・淡路大震災で「震度7」を経験した者として、あの当時の記憶を再び思い起こさせる、阿鼻叫喚の風景がテレビに映されていた。

しかし、マスコミは阪神・淡路大震災で何を学んだのだろう。なぜヘリコプターを飛ばすのだろうか。被災地の状況を確認するだけなら、防災ヘリにカメラを搭載し、そこから画像を配信すればいいものを、各社が無駄にヘリからの中継を伝えている。

震災直後に出版した自著「阪神大震災・神戸からの報告書」の中でも指摘したのだが、ヘリコプターの騒音は倒壊した家屋の中で助けを求める声をかき消し、救助の妨げになる。阪神大震災では、この「二次災害」によって助かっていたかもしれない命を落とした人がいたという。

ところで、時間が経つにつれ被害の状況が明るみに出てきたが、自分がいた場所が産婦人科の病室ということもあって、生後2か月の赤ちゃんが亡くなったとのニュースは胸に突き刺さるものがあった。ニュースによると、この赤ちゃん。家族とともに車で避難する途中で襲ってきた余震のショックで亡くなったと言うではないか。首も据わってなかったことも関係するのかもしれないが、ご両親の気持ちを思うといたたまれない。しかも、この赤ちゃん、偶然にも、私が震災後に何気なく書いた震災を題材にした小説の中で生まれてくる子供と同じ名前なのた。それだけになんだか自分の身内のように思ってしまったのである。小説の中のこの子は震災をくぐり抜けた恋人同士の間に生まれ、復興する神戸で育っていくのだが...。

先程見たNHKのニュースでは、ある家族は子供のミルクだけを自宅から持ち出して避難してきたと語っていた。避難所への救援物資はまだ十分行き渡っていないという。もしボランティアで新潟へ向かう方がいれば、救援物資の中に粉ミルクや紙おしめも持っていっていただきたいと願う。明るい未来のために、小さな命を救ってほしい。

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阪神・淡路大震災