今年5月15日、沖縄は本土復帰30周年を迎える。実は今年1月から、私は生まれ育った神戸から生活の拠点を沖縄県那覇市に移した。マリンスポーツ、独特の文化や自然、戦跡巡り...などなど、その地域性からありとあらゆる側面を見せてくれる沖縄は、本土からの観光客を飽きさせることはない。
しかし実際に住み着いてみると観光では見つけることができない意外な沖縄に出会うことがある。もし沖縄へ訪れることがあれば牧志の公設市場だけではなく、町のどこにでもあるスーパーやコンビニをのぞいてみよう。そして牛乳パックを手にとって欲しい。1000mlと思って手に取ったパックは実は946mlだったりする...というよりも、店頭に陳列されているパックのほとんどが946mlなのである。そして、そのハーフサイズは500mlではなく473mlだ。
これは沖縄が米軍統治されていた時代の名残であり、946mlはヤードポンド法の1クオートに相当する。沖縄が本土復帰したあと、通貨単位がドルから円に、車道がアメリカ式の右側通行から日本式の左側通行に変わったことなどは教科書で習ったことがあるが、牛乳パックだけは本土復帰30年経った今もアメリカ式なのだ。
同じ売り場を眺めているとアルプスの山並みと牧場、グラスに入った乳酸菌飲料のパッケージが印刷されたパック飲料を見つけることができるだろう。これはそのパッケージから想像できない沖縄限定の飲み物「森永ヨーゴ」である。味はヤクルトを少し甘酸っぱくしたような感じである。あまりにも沖縄らしくないパッケージであることから本土でもあるのではないか...と思うのだが、少なくとも神戸では見かけたことはなかった。そこで、いろいろ調べてみると、森永乳業が出しているピクニックシリーズで「ヨーゴ味」というものが一時期本土で売られていたことがわかった。しかし、今では「ヨーゴ味」はなくなり、事実上、沖縄限定の飲み物となってしまったようだ。沖縄独特の飲み物といえばシークヮーサージュース、さんぴん茶(ジャスミンティ)などがあるが、この「ヨーゴ」もチェックしておきたい。
(左) 沖縄では少数派の1000mlパックの牛乳。(中央) 沖縄では一般的な946mlパック。パックの大きさは1000mlパックと同じである。(右) 意外に知られていない沖縄限定飲料「森永ヨーゴ」(沖縄森永乳業)
kazagasira
はじめまして、kazagasiraと申します。沖縄森永乳業「森永ヨーゴ」については、本土でも大阪・大正区の泉尾アーケードを突き当たった少し右手にある沖縄物産店で946mlパックが出ていました。沖縄出身の方が多く住まわれ、かつ沖縄との交流の多いことから例外的に空輸されてきているようです。
私は瓶牛乳の紙キャップのコレクターですが、瓶では「ドリンクヨーゴ」という名称で、愛知(江南市)・岡山(津山市)・福岡(久留米市)・熊本(球磨郡相良村)・宮崎(宮崎市)の工場・系列会社で製造されていたことが判明しており、現在では宮崎のみ製造が継続されている模様です。なお沖縄森永も以前は瓶の「森永ヨーゴ」を製造しておりました。