2003年5月アーカイブ

今年5月15日、沖縄は本土復帰30周年を迎える。実は今年1月から、私は生まれ育った神戸から生活の拠点を沖縄県那覇市に移した。マリンスポーツ、独特の文化や自然、戦跡巡り...などなど、その地域性からありとあらゆる側面を見せてくれる沖縄は、本土からの観光客を飽きさせることはない。

しかし実際に住み着いてみると観光では見つけることができない意外な沖縄に出会うことがある。もし沖縄へ訪れることがあれば牧志の公設市場だけではなく、町のどこにでもあるスーパーやコンビニをのぞいてみよう。そして牛乳パックを手にとって欲しい。1000mlと思って手に取ったパックは実は946mlだったりする...というよりも、店頭に陳列されているパックのほとんどが946mlなのである。そして、そのハーフサイズは500mlではなく473mlだ。

これは沖縄が米軍統治されていた時代の名残であり、946mlはヤードポンド法の1クオートに相当する。沖縄が本土復帰したあと、通貨単位がドルから円に、車道がアメリカ式の右側通行から日本式の左側通行に変わったことなどは教科書で習ったことがあるが、牛乳パックだけは本土復帰30年経った今もアメリカ式なのだ。

同じ売り場を眺めているとアルプスの山並みと牧場、グラスに入った乳酸菌飲料のパッケージが印刷されたパック飲料を見つけることができるだろう。これはそのパッケージから想像できない沖縄限定の飲み物「森永ヨーゴ」である。味はヤクルトを少し甘酸っぱくしたような感じである。あまりにも沖縄らしくないパッケージであることから本土でもあるのではないか...と思うのだが、少なくとも神戸では見かけたことはなかった。そこで、いろいろ調べてみると、森永乳業が出しているピクニックシリーズで「ヨーゴ味」というものが一時期本土で売られていたことがわかった。しかし、今では「ヨーゴ味」はなくなり、事実上、沖縄限定の飲み物となってしまったようだ。沖縄独特の飲み物といえばシークヮーサージュース、さんぴん茶(ジャスミンティ)などがあるが、この「ヨーゴ」もチェックしておきたい。

牛乳パック

(左) 沖縄では少数派の1000mlパックの牛乳。(中央) 沖縄では一般的な946mlパック。パックの大きさは1000mlパックと同じである。(右) 意外に知られていない沖縄限定飲料「森永ヨーゴ」(沖縄森永乳業)

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米軍の非常食を食う

2003年5月 4日 00:00

イラク戦争の影響が妙な形で我が家にやってきた。先日、とある人から「イラクに出兵している米軍が携行している非常食」というものをいただいた。いくら米軍基地が集中している沖縄に住んでいるからといって、これらは民間人の私が簡単に入手できるような代物ではない。もちろん、金を出して買えるようなものでもない。

meal1.jpg

なぜ、このような物が私の手元にあるのかというと、あくまでも噂話ではあるが、イラク戦争が予想よりも早く終結したので、米軍のイラク向け物資の余剰在庫が沖縄の在日米軍基地に移され、それが米軍関係者の通じて沖縄の一般の人たちの間に「お裾分け」として流れているのだという。

とはいえ、アメリカ兵が戦地でどのようなものを食べているのか興味があったので、さっそく"調理"してみることにした。ちなみに、この非常食は10数種類あり、それぞれステーキやらテリヤキ(袋にはしっかりと「TERIYAKI」と書かれている)など肉系統のメニューが多い。「非常食」にしては贅沢な感があるが、今回、私が調理したのは「MENU NO.2 BONELESS PORK CHOP」である。非常食は、銃を構えた兵隊のマークが印刷されたプラスティック製の袋にびっしりと詰められいる。中をあけてみると表題のポークチョップのレトルトパックだけではなく、ネスレのインスタントコーヒー、砂糖、粉末グレープジュース、塩、タバスコ。真空パックにされたクラッカーやケーキ、ペースト状のチーズ、リンゴの煮物のレトルトパックなどが入っていた。また非常食だけあって、水だけで発熱する簡易ヒーターやスプーン、お手ふき、なぜかマッチまで完備していた。

気になる調理法であるが、すべて英語で書かれていて、さっぱりわからない...といっても、実際は「水だけで発熱するヒーターで温めて食う」だけなのだ。まずヒーターの使い方であるが、緑の袋を破り袋の下線まで水を入れ、そこに発熱材を投入するだけでよい。イメージとしては「燻煙式殺虫剤」を焚く準備のような感じである。すると約30秒ぐらいで熱くなるので、これを「ポークチョップ」レトルトパックに巻き付けるのである。だいたい2~3分ぐらい巻き付けておけば、十分にレトルトパックは温まる。しかし、これを自宅の台所ですると、ヒーターの袋から漏れてくる煙がガス警報器に反応するので要注意である(突然、警報機が鳴り出したのでびっくりした)。当たり前のことではあるが、この手の食糧は屋外で食べるのがよいだろう。そして温めている間にクラッカーやらケーキやらを準備し、完成したのが下の写真である。

いよいよ試食である。
メインディッシュのポークチョップ。見た目はうまそうなのだが、一口かじってみると......肉がパサパサ、しかも堅い。肉自体に味がない。ただし肉の引き立て役であるパスタは、ソースとマッチしていて味は悪くなかった。またゆで具合も最適であった。次にリンゴの煮物(らしきもの)。ポークチョップと同じようなレトルトパックに入っていたので思わず温めてしまったが、これは冷やしたて食べた方が美味しいかも知れない(戦場では無理だと思うが...)。あまり甘くはない。またクラッカーやケーキやチーズペーストは、市販されているものと大して変わらない味だった。

meal2.jpg

ところで新聞報道によるとイラクは着実に戦後復興に進みつつあるようだが、その一方で、経済制裁が長かったこともあり食糧事情はあまり改善されていないとも言われている。もし冒頭で出ている「噂話」が本当であるならば、食料のように民間に転用できる余剰物資は在日米軍ではなく、このままイラクの一般市民に回すことはできないものだろうか...。試食をしながら、ふと考えてしまった。

※2003年6月22日追記
イラクのようにイスラム教徒が大勢を占める国であり、肉やアルコールの食用については厳しい戒律があるため、他国の食料援助でも簡単には食せない事情があるとのご指摘をいただきました。
イスラム教徒は肉やアルコールなどを飲食する場合「ハラール」と呼ばれる、イスラム教の教義に基づいて処理されたもの以外は食することができず、米軍の善意であっても「ハラール」に従って処理されていなければ食べることができません。

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