ふるさと切手博物館
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公開日:1997年8月20日
第3回展示■主張するミミたち

沖縄県「さんしん」

さんしん  前述の「夏の果実」から、沖縄県版切手には「Beautiful Okinawa」の文字が入るようになりました。ふるさと切手では異例の「シリーズ切手」になりそうです。
 98年は沖縄固有の弦楽器「さんしん」が選ばれました。
 「さんしん」は漢字で書くと「三線」と書き、文字通り「三味線」の元となった楽器です。
 しかし、三味線とは決定的に違う点もあります。三味線は鉢を持って弾きますが、さんしんは人差し指に義甲(付け爪)をはめて弾きます。
 製造方法も三味線は猫の皮を使いますが(最近は合成皮革が多い)、さんしんは、切手をご覧の通り、蛇の皮が用いられ、別名「蛇皮線」と呼ばれることもあります。
 三味線の元になったさんしんも、もともとは中国の「三弦」から発展してきました。
 なお、さんしんの背景に描かれている布状のものは、手前から、琉球舞踊の衣装に使われる「ティーサージ」と呼ばれる手ぬぐいと、夏用衣装に使われる生地「芭蕉布」です。

●この切手のデータ
意匠=さんしん
発売日=1998年3月4日 発売地域=沖縄
原画作者=知念秀幸(グラフィックデザイナー) 発行枚数=560万枚
備考=別途、ペーン(10枚シート)が37万部発行されました。
 また「3月4日」は語呂合わせで「さんしんの日」と言われていることから、この日にあわせて、この切手が発売されました。

沖縄県版「さんしん」 琉球郵便「ノグチゲラ」  ところで、この切手の耳紙に描かれているのは沖縄県の鳥「ノグチゲラ」という鳥です。
 ノグチゲラはキツツキ目の鳥で、体長は成鳥で約30cmにもなります。現在は希少種で、国の特別天然記念物に指定されています。
 ちなみに鳥の和名を漢字で書くと「野口啄木鳥」と書きます。  左の写真を見て分かるとおり「ふるさと切手」史上初めて、耳紙に5種類ものバリエーションが作られました。
 この切手は、これまでの沖縄県版切手としては発行枚数が多く、より多く売り切るために、切手収集家目当てに発行されたのでは…という感も否めません。
 というのも、この切手はオフセット5色刷りで「ノグチゲラ」そのものが、収集家の間で珍重されている「カラーマーク」の役割を果たしているからです。
 この鳥は、アメリカ占領下の沖縄で発行されていた「琉球郵便」時代の切手(右)に1度、登場しています。
 見ての通り、ノグチゲラ自体、褐色系統の色しかなく、同じ耳紙にするなら「Beautiful Okinawa」の観点から「夏の果実」に描かれた「デイゴ」のようにフルカラーの1種にしたほうが良かったのでは…と思います。



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