気まぐれ歳時記2001年5月1日
 

なぜ日本のザリガニは「アメリカザリガニ」なのか?

 今月の話題は何がいいのか調べていると、なんと5月12日は「ザリガニの日」であることがわかりました。
 しかし、なぜ今日が「ザリガニの日」なのか調べてみましたが結局わかりませんでした。
 ところで、現在、日本にいるザリガニの殆どが「アメリカザリガニ」という種類で占められているのを知っているでしょうか?
 もともとアメリカザリガニは日本にいなかったのです。
 アメリカザリガニが日本に来たのは1916(大正5)年のこと。神奈川県で食用ガエルの養殖をしていた人が、カエルの餌のためにアメリカから取り寄せたのが最初でした。
 このとき日本に持ち込まれたアメリカザリガニは、たった30匹でした。
 当然のことながら、カエルの餌のため、ザリガニも自分の池で養殖していましたが、1923(大正12)年の関東大震災で池が決壊し、ザリガニが近くの水田に流れ出したのです。
 昭和時代に入ると、アメリカザリガニは水田を荒らすため捕獲され、都会の金魚屋さんなどで売りさばかれるようになります。
 店でザリガニを買った人も、そのうち育てられなくなり、近くの池や川などに逃がすといったことも手伝って、アメリカザリガニは爆発的に日本中に広がっていきました。
 ちなみに日本にも純日本産のザリガニがいましたが、今では、アメリカザリガニに圧倒され、北海道、東北地方の北部を除き、ほとんど見かけることはなくなりました。
 秋田県大館市の八幡沢で生息しているザリガニは国の天然記念物に指定されています。
 日本はアメリカに弱い…というのはザリガニの世界でも同じだったようです。

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