気まぐれ歳時記2000年2月1日
 

2月が短いワケ

 カレンダーを見て「なぜ2月は短いのか?」と疑問に思ったことはないでしょうか?
 この秘密を解く鍵は古代の太陽暦にあります。ひとくちに太陽暦といっても、天文学の発達とともにマイナーチェンジを繰り返してきました。
 現在使われている太陽暦は「グレゴリオ暦」ですが、紀元前7世紀のローマ帝国では「ヌマ暦」という独特の暦が使われていました。ヌマ歴の1年は355日しかなく、12か月の「日」の割り振り方が変わっていました。
 まず、1か月31日の月を4回、同じく29日の月を7回とし、余った28日を最後の月としたのです。
 それなら「12月が28日になるのでは」と思われることでしょう。しかし、ヌマ歴の1月は現在の暦で3月にあたるため、現在の2月はヌマ歴の12月になるのです。
 しかも、1年が現在より10日も少ないため、2年に1回、12月(現在の2月)に20日(10日×2年分)を追加して、暦と季節のズレを防ぎました。つまり2年に1度、2月(ヌマ歴の12月)は48日まであったのです。
 これでは、2月分の給料をもらうために1か月以上働かなければならないなど、生活には不便です。そこで、1年を365日とする「ユリウス歴」が考案され、不足の10日を各月に割り振りました。しかし、なぜか2月(ヌマ歴の12月)だけは28日のままでした。
 うるう年の1日を2月に加算するのは「ヌマ歴」の名残なのです。

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