気まぐれ歳時記2000年1月1日
 

おさらい「活断層」

 1月中旬は過去に大きな地震が相次いで起こっています。
 1945年1月13日の「三河地震」(M6.8、死者2,306人、住宅全壊7,221棟、半壊16,555棟)以降、1978年1月14日「伊豆大島近海地震」(M7.0、死者25、建物倒壊94)、1993年1月15日「釧路沖地震」(M7.8、死者2、建物倒壊53)、1995年1月17日「兵庫県南部地震」(M7.2、死者6430、不明3、建物全半壊25万)といった大地震がありました。
 この4つの地震のうち三河地震と兵庫県南部地震は、陸地、あるいは陸地に極めて近いところに震源があります。
 このような地震は「活断層」と呼ばれる、大地の「傷」によって引き起こされます。
 「活断層」は日本列島全域に点在し、数千年から数万年に一度の周期で大地震を引き起こす特性があります。私たちは時限爆弾の上で生活しているといっていいでしょう。気象庁震度階級によると断層が生ずる地震は、その近辺で「震度7」になると決められています。
 しかし日本中に活断層があるとはいえ、私たちは活断層の実物を見る機会は、ありません。
 ところが日本地図をよく見ると新潟県から静岡県にかけて日本列島を東西に分けるような筋を見つけることができます。これは「糸魚川(いといがわ)静岡構造線」(フォッサマグナ)と呼ばれる巨大な活断層(=大地震のきずあと)なのです。
 最近では、阪神大震災を起こした断層が兵庫県淡路島に出現しました。長さは10km、南東側の地表が最大2.1mも持ち上がりました。それも、たった20秒間の出来事です。
 この断層は「野島断層」といい、約2000年前に大地震を引き起こした断層として学者の間では知られていましたが、この大地震で初めて地表に姿を現しました。
 野島断層については、こちらで写真付きで解説しています。みなさんの防災を考える上で役立てば幸いです。

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