気まぐれ歳時記1999年12月1日
 

クリスマスの謎

 クリスマスといえば、キリストの誕生日とされていますが本当でなのでしょうか?
 『新約聖書』では、キリストはユダヤ(現在のパレスチナ)のベツレヘムで生まれたとありますが、12月25日に生まれたとは断言していません。
 ちなみにクリスマスツリーの頂上に星が飾られていますが、この星は「ベツレヘムの星」といい、キリストが生まれた場所の上空で輝いていたとされる星を意味しています。
 さて、キリスト生誕には、約2000年もの間、いろいろな説が唱えられてきました。3世紀頃のキリスト教会では3月28日、4月2日、4月19日、5月20日といった日にクリスマスを祝っていたそうです。
 キリストの誕生日が「12月25日」と決められたのは西暦354年のこと。ローマ教会が「キリストは12月25日金曜日に生まれた」と決めつけたのがきっかけでした。
 当時、ローマでは12月17日から約1週間、農業の神に感謝する祭りが行われ、その祭りの最終日にあわせてクリスマスの日が決められたそうです。
 『新約聖書』をよく読むと、キリストが生まれた時、外で家畜の羊たちが群れていたと書かれています。冬の夜、家畜の羊を屋外に放つことはありえませんから、12月25日の「クリスマス」は根拠がないといえます。
 何はともあれ、楽しいミレニアムをお過ごしください。

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