気まぐれ歳時記1999年8月8日
 

東京大停電の恐怖?

 1987年7月23日、東京で大規模な停電が発生しました。家庭でのクーラーの使いすぎが原因で電力消費が急増。発電所の発電能力を上回り280万世帯の電力がストップしました。
 当然、工場や会社でも電気が使えなくなり、この停電で企業の経済活動に及ぼした損失は金額にして約1兆8千億円だったと試算されています。
 この事態を重く見た日本エネルギー経済研究所は、この停電よりもさらに大規模な停電が関東地方で起きた場合、どのような事態になるかを予想しました。
 想定では8月下旬の月曜午後1時に、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県、1500万世帯で長時間の停電が発生した場合の影響を次のように予測しています。
 まず、意外かも知れませんが、断水が起こります。
 なぜなら、1都3県に住む世帯の約3割が3階以上の高層建物に住んでおり、電気で動く汲み上げポンプが止まるため、多くの世帯で断水になるのです。
 停電の間、飲み水だけでなく、風呂に入ることも、トイレで水を流すこともできなくなります。
 次に交通への影響。信号機が停電し、大渋滞が発生します。もちろん電車も動きません。停電の復旧が遅れると会社で働いている人の中には帰宅できない人が多く出ると予想されています。
 さらに、首都東京の停電は全国、全世界に影響を及ぼします。多くの大企業が東京に本社を置いているため、これらの会社が使っているコンピュータネットワークがダウン。銀行や郵便局、クレジットカードなどのオンラインシステムも使えなくなります。
 株式市場や外国為替市場で使われる世界的なネットワークも使えなくなると世界の金融市場をも混乱させかねません。
 日本で最も電力需要が多くなるのは、高校野球の決勝戦の日だとされています。今一度、電気に頼りすぎる生活を考えてみませんか?

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