気まぐれ歳時記1999年5月1日
 

ウソとサギの話

 怪しげなタイトルですが、人間の話ではありません。まもなく「愛鳥週間」(バードウイーク)が始まります。そこで、じっくり鳥を観察する暇がないあなたへ、本物のウソとサギの話をお届けします。
 スズメの仲間で「ウソ」という鳥が実在します。主に北海道と本州の山地に住んでいます。大きさはスズメよりも少しばかり大きく、頭は黒く、背中は暗い青色の地味な小鳥です。でも雄はあごから、ほおにかけて、鮮やかな赤色をしているので、すぐに見つけることが出来るでしょう。
 怪しげな名前の由来ですが、腹が灰色をしているところが、いかにも「ウソ」という感じがしますが、実はそうではなく、人間の口笛のような鳴き方をするので、口笛の古い言い方である「おそぶえ」の「おそ」がなまって「ウソ」と名付けられたそうです。
 一方、サギはコウノトリの仲間で、海岸の岩場などで生息しています。体の特徴は、鶴やコウノトリと同じく、細長い首、くちばし、脚をしています。
 全身白色をしているのを「シラサギ」、黒っぽい色をしているが「クロサギ」と呼びますが、これは正式な鳥の種類の名前ではありません。特に「シラサギ」は3〜4種類の白いサギに対して呼ばれる通称です。
 飛ぶ姿は、優雅で、力強く、ゆっくりと羽ばたきます。その姿に花の形が似ているところから「サギソウ」と名付けられたランもあります。
 また、その美しさから世界文化遺産に指定されている姫路城(兵庫県姫路市)は、別名「白鷺(シラサギ)城」と呼ばれています。
 そんなサギを図鑑で調べると、餌として魚、カエル、虫などを食べると書いていますが、実際は、その優雅な姿に反して、蛇や小鳥なども食べてしまう、まさにサギのような鳥なのです。

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