ふるさと切手博物館
めんそ~れ!!
公開日:1999年11月1日
第16回展示■まるごと沖縄!!

沖縄県「琉球切手50年」

琉球切手50年  「琉球切手」とは戦後、米国統治下の沖縄で発行された切手で1947年から本土復帰直前の1972年4月まで、259種類が発行されました。南の島らしく美しい色彩が評判となり、一時は投機の対象にもなりました。
 図案には沖縄の自然、名所、旧跡、工芸、伝統芸能が描かれていることから、現在では観光地の土産物として、10~20種類をパックにした未使用の琉球切手が売られています。その一方で米国統治の歴史の一部として、県立博物館では琉球切手のアルバムが展示されています。
 ちなみに筆者が訪れた観光地、史跡では、守礼門や首里城をはじめ弁財天(べざいてん)堂、玉陵(たまうどぅん)、円覚寺跡(総門、放生橋など)、中城城跡、中村家住宅、県立博物館(切手では政府立博物館)が琉球切手の図案になっていました。
 ところで、ふるさと切手に取り上げられた2種類の切手は、琉球切手の1番切手(第1次普通切手7種のうちの1種)と最後の切手(切手趣味週間「ユシビン」)です。特に最後の切手の上部には「Final Issue(最終発行)」の文字が入っています。「最終発行」と記載された切手は世界的にも珍しいものです。
琉球切手  さて琉球切手を知るためにお薦めなのが「沖縄逓信博物館 OKICOMM」です。沖縄での「通信」の歴史について「のろし」から解説している、すごい施設です。
 特に終戦直後の沖縄の郵便事情に関する展示は切手収集家なら、誰もが熱心に見入ることでしょう。米国占領から琉球切手が発行されるまでの間、日本切手の使用が中止され、その苦肉の策として、在庫の日本切手に郵便局長の印鑑を押して通用させた「暫定切手」と、その使用例(収集家の用語では「エンタイア」という)や、久米島で発行された「久米島切手」(右の写真の下の切手・発行枚数3140枚)と世界に一つしかない久米島切手のエンタイア(使用例)、久米島切手発行に使われた印鑑などが展示されています。
 さらには琉球切手の原画や原版から郵便局の看板、消印、計量器といった備品に至るまで、貴重な資料を見ることが出来ます。しかも入館無料。受付のおじさんに頼めば、無料にしては立派な展示ガイドブック(と郵貯のポケットティッシュ)がもらえます。
 (右の写真は同館のリーフレットから転載しました)


沖縄逓信博物館 OKICOMM
入館料:無料
開館時間:10時~18時30分
休園日:火曜日。1月1~3日
那覇市の中心部にあるショッピングセンター「パレットくもじ」4階にあります。
地図
OKICOMMホームページ:http://www.cosmos.ne.jp/~okicomm/
●この切手のデータ
意匠=(左)第1次普通切手「ソテツ」、(右)切手趣味週間「ユシビン」
発売日=1998年7月23日 発売地域=沖縄
原画作者=(左)ソテツ切手の図案=比嘉秀太郎
 (右)ユシビン切手の図案=新垣吉紀
発行枚数=各300万枚


<< 逆順  ふるさと切手博物館  順路 >>