ふるさと切手博物館
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公開日:1998年8月21日
第9回展示■橋を架ける。橋を渡る。

熊本県「通潤橋」「牛深ハイヤ祭」

通潤橋  轟川渓谷にかかる通潤橋は、渓谷の対岸にある笹原川から、白糸台地の農地に水を引く水路橋です。
 今から100年以上も前、深い渓谷に橋をかけたいと思いつく者はいましたが実行に移すには莫大な費用と高度な技術が必要とされ、実行する者はいませんでした。
 ある日、地元の石工が熊本城の石垣をみて橋の骨格を思いつきました。しかし、これだけでは水路橋としての役目は果たせません。
 橋を渡る水路は高地から橋にさしかかると下り坂になり、橋を渡りきると、再び上り坂になるため、普通に水路を渡しただけでは水が通りません。
 そこで、サイホンの原理を応用。橋の技術を全く知らなかった地元の人の知恵だけで、1年8か月の工事期間を経て完成しました。しかも、現在も現役。なおかつ石橋の高さ21mは完成以来、一度も日本一の座を明け渡したことはありません。
 切手に描かれている橋からの放水は、毎年9月の八朔祭などで披露されますが、この放水は水路の掃除のために行われます。
 ちなみに、この橋の正式名称は「吹上橋」といいます。


牛深ハイヤ祭  さて、熊本県では、もうひとつ橋が切手になっています。
 この切手の題材は「牛深ハイヤ祭」。切手の図案から感じられるとおりテンポの早い踊りです。
 毎年4月の第三土曜日、日曜日には「牛深三度行きゃ三度裸」という陽気な、お囃子で夜通し「ハイヤ節」が踊り明されます。
 「ハイヤ」とは「南風」(ハエ)がなまったもので、徳島の阿波踊りなどのルーツだとされています。
 97年8月には熊本県最長の「牛深ハイヤ大橋」という名前の橋も架けられましたが、実は切手に描かれているのは、その「ハイヤ大橋」ではありません。
 切手には「ハイヤ大橋」に接続する「通天橋」(つうてんばし)が描かれています。
 通天橋は1971年に牛深漁港と、その対岸にある下須島を結ぶ橋として建設された全長125.4mの橋です。

●上の切手のデータ
意匠=通潤橋
発売日=1991年8月1日 発売地域=九州
原画作者=井上幸子 発行枚数=900万枚
備考=別途、ゆうペーン(表紙付き10枚シート)が10万部発行されています。


●下の切手のデータ
意匠=牛深ハイヤ祭
発売日=1996年4月1日 発売地域=九州
原画作者=溝口優二(デザイナー) 発行枚数=594万枚
備考=別途、ペーン(10枚シート)が46万部発行されています。


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