『沖縄タイムス』2002年10月19日朝刊より転載
「わが街の社長さん 40」…宜保伸さん(63)
名護市・ランドシンフォニー
コンテナ利用しパーマカルチャー
音楽も農業も生む
 名護市の北部農林高校の道向かい、名護湾に臨む海岸沿いに廃物の輸送用コンテナを改装し、喫茶スペースやガラス工芸の工房を設けた広場がある。有限会社「ランドシンフォニー」(農業生産法人)が運営する二千平方メートルほどの「パーマカルチャーガーデン」だ。
 コンテナはパーラーのように改装され、アイスクリームなどをメニューに連ねる。敷地の中は、一見何もない空き地のようにも見えるが、宜保伸代表取締役(63)の案内を受けると、ジャガイモ、ヤシの木、サトウキビ、ユウナ、マングローブの植物など、収穫作物や樹木数十種類が植えられているのが分かる。
 「雑草という名の草はないともいう。有用な草もあるし、たい肥にもなる」と強調する宜保代表。あえて農地のように整備はしない。雨水排水が流れ込んでくる場所にはマングローブの植物を植え、菌を利用し浄化する。「多種少量の生産で、持続していくことが大事」という。
 ゼロエミッションを目指し、廃油再利用のランプや、伐採された街路樹を集めて薪にしたりと、工夫を重ねる「実験場」のような場所でもある。
 パーマカルチャーはオーストラリア・タスマニア出身の提唱者が広めた多種作物農法。パーマネント(永久の)とアグリカルチャー(農業)、カルチャー(文化)を縮めた造語だ。同国ではパーマカルチャーの村もある。
 名護市宇茂佐出身の宜保代表は、土木建設機械レンタルなどを行う町田機工(本社・中城村)の社長を経て、現在は会長を務める。十五年前、ガーデンとは別に市内の山間に所有する一万五千平方メートルほどの土地を生かそうと思ったとき「消費よりもプラスを生産する農業を」と考え、農場をつくった。
 やがて関心は有機農法へ向きパーマカルチャーを知り、法人設立。農場で育てた作物でつくったフーチバージューシーなどを、ガーデンの近くに構える喫茶店「アウトドアカフェ」で出す。「自分でつくった、自分や家族の健康にいいものをお客さんにも出したい」と言う。
 ガーデンでは今年、地元のエイサーを招いて公演も行った。宜保代表はカルチャーという言葉から「音楽も農業や労働から生まれたと考えると面白い」と話し、文化を含めた「農的生活」への実験を続けている。

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