さらば、gooメール

「gooメール無料版」が3月10日午前11時にサービスを終了する。

1998年にポータルサイト「goo」のサービスとしてスタート。サービス開始とほぼ同時に、プロバイダのメールアドレスとは別に、サブで使うメールアドレスとして「kazamidori@mail.goo.ne.jp」というアドレスを取得した。これまでの人生の中で一番長く持っていたメールアドレスである。

というのも、その間、当時加入していたプロバイダが別のプロバイダに統合され、メインで使っていたメールアドレスが強制的に変更になったり、独自ドメインを取得したり...と、私がメインで使っていたメールアドレスは、さまざまな変遷をたどってきた。それでもgooメールは16年も持ち続けていたのである。しかし、忘れ去られた存在になっていた。goo事務局からデータ移行や、有料版への移行のメールが届いていたが、移すべきデータも今はなく、独自ドメインを持っているのでわざわざ有料版へ移るメリットもない。

2000年に念願の独自ドメイン「kazamidori.net」を取得。独自ドメイン取得費用は1万円。これでも当時としては安いほうであった。

独自ドメイン取得後しばらくはwhoisの管理者連絡先のアドレスとしてgooメールを登録していたが、独自ドメインを取ると、メールアドレスを複数持てることから、メインで使うメールアドレスや、捨てアドレスも独自ドメインのメールアドレスでまかなえるようになり、gooメールにアクセスする機会は減ってきた。

2005年に入るとフリーメールはGmailへ。当時、Gmailは「招待制」。今みたいに誰でも取得できるものではなかったが、人脈を駆使して招待状をもらいGmailのアカウントを獲得。ますますgooメールは疎遠になってしまった。

2006年には独自ドメインのメールも「Gmail for your domain」(現在のGoogle Apps)によって、無料で運用できるようになる。独自ドメインのメールアドレスなので、サーバー環境が変わっても、アドレスは変わることはない。今まで持ち続けていたgooメールの存在感は無くなってしまった。

久しぶりにアクセスしてみるとダイレクトメールの墓場と化していた。誰だかわからないが、間違って連絡先を登録したのか、通販の注文確認メールやら、マイナビの就職情報のメールマガジンなども入っていた。サービス開始当時、メールボックスはたった2MBの容量だったのに、今は2GBになっているのも時代の流れを感じさせてくれる。

約16年間、gooメールを持っていたが、この間、私生活では4回も引っ越し、結婚もしたし離婚もした。そう考えると感慨深いものがある。