ただいま、帰省中

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風見鶏の館

あけましておめでとうございます。今日は神戸へ帰省中。昨年は個人的にいろいろあり、今年は「原点に立ち返る」という意味でも10年ぶりに生田神社へ初詣して、新しい年を迎えようと思い、単身、神戸に帰ってきた。「原点」というと大げさだが、私はお宮参りも七五三も生田神社で行ったのだ。

生田神社の杉盛

正月の生田神社といえば「杉盛(すぎもり)」。一般的には門松なのだが、生田神社の祭神・稚日女尊(わかひるめのみこと=若くてピチピチの女神)は「松」が嫌いである。

もともと、この女神様は、布引の砂山(いさごやま=新幹線新神戸駅のすぐ裏の山)に祀られていたが、ある日、大洪水で山が崩れ、社殿は流失してしまった。当時、このあたりは松林となっていたが「松は洪水に弱い」とされ、生田の神は今でも松を嫌っているという。その言い伝えから、正月は門松ではなく杉盛を飾る。

ちなみに神戸の「神」という字は生田神社の祭神にちなむ。

神戸・北野天満神社周辺

元旦であるにも関わらず、思ったより参拝客が少なかったので、スムーズにお祈りを済ますことができた。家に帰っても寝正月なので、北野坂から北野天満神社を目指すことにした。神社の名前からして京都の北野天満宮を彷彿させるが、神戸にもあるのだ。場所は異人館「風見鶏の館」の隣。とんでもなく急な階段を上がったところに社がある。

神戸・北野天満神社境内から風見鶏の館と神戸市街を望む

階段を登り切ると、風見鶏の館の風見鶏を間近に見ることができる。

参拝後、せっかくなので風見鶏の館を訪れることにした。神戸市営の施設であるが、元旦から開いている。昔は無料公開だったはずなのに、今は入館料500円も取られる。市営の施設とはいえ、国の重要文化財でもあるので、維持管理するためには仕方がないのだろう。内部は、昔は廊下から部屋をのぞくような公開方法だったが、今は家具に触れなければ、部屋の中まで入ることができる。客間では実際に当時の主が使用していたイスに座って記念撮影ができるコーナーができているではないか。お土産コーナーでは、ルミナリエの土産品が定価の2割引と投げ売りされていたので、これを土産として買うことにしたが、沖縄に知人には内緒である。なお、本稿冒頭の「風見鶏なめこ」は、ここでは売っていない(JR新神戸駅と三ノ宮駅の土産物コーナーで限定発売)。

風見鶏の館前の広場にて

風見鶏の館前の広場では棒渡りや猿回しなどのパフォーマンスをやっていた。

このまま北野坂を下っていくと「象ビル」で震災発生の時間で止まっている時計を発見。阪神・淡路大震災から19年が経とうとしているが、今も、このような震災遺構は、普通に街の中にある。三宮の東門街北側のビルにも同じように時計が「メモリアル」として当時のまま保存されていた。もし、これから神戸を訪れる人は、街並みを注意深く観察すると意外なところで19年前にタイムスリップするかもしれない。

震災発生時間で止まっている時計~象ビル

震災発生時間で止まっている時計~象ビル

久しぶりに、ゆっくりと神戸市中心部を散策してみたが、率直な神戸の印象を言うと、高層ビルが建ち並び、街はきれいになったが、なんとなく「神戸っぽさ」が、10年前よりも薄れているような気がした。