迷惑メールフォルダの確認も忘れずに!!

最近、東京の某出版社とメールで業務連絡のやりとりしていたのだが、私から送ったメールに対して返信が全く帰ってこないことがあった。特に急ぎでもないので、そのまま放っていたのだが、約1週間後、業務連絡のついでに依頼していた私の原稿が載った本のサンプルが届いたので、びっくりした。

このサンプルは、あくまでも要件の「ついで」であったことから、メールでお願いしていた件はどうなったのだろうと思い、自分のメールソフトの中身を確認してみたところ、受信した様子もなく、またメールソフトの迷惑メールフォルダに落ちた形跡もなかった。

※ちなみに私が使っているShuriken Pro 4 /R2(ジャストシステム)には学習型迷惑メールフィルタが搭載されていて、学習させておけば、メール受信と同時に迷惑メールを自動的に振り分けてくれる

ひょっとして...と思い、Webメール(kazamidori.netドメインのメールサーバーはGoogle Apps for Your Domainを使用している)からアクセスして、メールボックスの迷惑メールフォルダを見たところ、出版社からの返信...しかも私がメールを送って2時間以内に返信されたものが、しっかりとここに落ちていた。相手は出版社所有の「co.jp」ドメインのアドレスなのに、なぜ「迷惑メール」になってしまったのだろうか。

とりあえず、このメールに関してはGmailの迷惑メール判定を解除して、迷惑メールの山から救出したのだが、メールヘッダに出てくるIPアドレスを調べていくと、この出版社のメールを中継しているサーバーのひとつが、どうやら過去に迷惑メール発信の経路になっていたみたいで、これを根拠にGmailのサーバーは迷惑メールと判断したようである。

ちなみに、沖縄の某プロバイダの加入者からのメールもGmail(Google Apps for Your Domainも含む)の初期設定では「迷惑メール」フォルダへ直行となる。

実はインターネット上には迷惑メールに使用されたサーバーやプロバイダのブラックリストを作成しているデータベース(RBL=Real-Time Blackhole Listと呼ばれる)が複数存在している。最近、多くのプロバイダでも行われている迷惑メールのフィルタリングサービスは、このようなデータベースも参照しつつ、迷惑メールを判定しているのである。

しかし、このようなデータベースを作成している各団体の判定基準がバラバラな上、管理がずさんなデータベースもあることから、迷惑メールと無関係なメールアドレスまで「迷惑メール発信元」と判定されることがあるようなのだ。

参考記事
spamhaus.orgをはじめとするIPアドレスベースのブラックリスト(RBL)を使ってはいけない(Web屋のネタ帳)
出したメールが相手に届かない!? メールの不達問題とスパム対策の関係(Internet Watch)

本稿で取り上げたような小規模の業者では、一度、迷惑メールのデータベースに登録されてしまうと、削除申請の手続きが面倒なこともあって、何もしないまま放置されているのが現状のようである。

いずれにせよ、Gmailを利用していて届くはずのメールが届かないようであれば、GmailのWebメールから迷惑メールフォルダを確認されることをお勧めしたい。なお、Gmailの迷惑メールフォルダの保管期間は30日であるため、毎月1回は定期的にチェックすることもお忘れなく。

ところで、私が利用している全国規模の某プロバイダのメールサーバーは迷惑メールと判定すると、件名に[meiwaku]という文字を入れて教えてくれるのだが、なぜか「JALマイレージバンク」からのメールと「mixiの招待状」が迷惑メールとして判定される。これらは迷惑メールのデータベース参照というよりもこのプロバイダの利用者が判定したものと思われる。しかし、他人から送られる「mixiの招待状」はまだしも「JALマイレージバンク」のメールは自分で申し込まない限り送られないはずなのだが...しかもJALからのダイレクトメールは迷惑メールと判定されないのである。どういうアルゴリズムなのだろうか。