Google Analytics を使ってみる

先日から kazamidori.net の全ページに「Google Analytics」を導入した。「Google Analytics」とはGoogleが無料で提供しているアクセス解析サービスである。もともとは業務用にサイトを作成しているサイトオーナーへのネットマーケティング対策用として提供されているものだが、個人サイトでも利用できる。

独自ドメインでサイトを運用している場合、サーバーの生ログやアクセス統計を見ることができるのだが、このGoogle Analyticsはさらに詳しいデータを円グラフなどでグラフィカルに表示してくれる。例えば、各ページの平均閲覧時間や離脱率、直帰率といったデータをグラフや一覧表で表示してくれる。これはサーバーの生ログを細かく分析すればわからなくもないのだが面倒で時間がかかる。閲覧時間や離脱率ではアクセスしてきた人が何分(もしくは何秒)閲覧したのかが各ページごとにわかる。つまり閲覧者がそのページをどれだけ読んでもらえたかという指標になる。またリピート訪問数もチェックできる。会社やテキストサイトにおいて、これらの数値はカウンターの数字(ページビュー)よりも重要である。

次に訪問者の住所地の分類。これはフリーで提供されているアクセス解析サービスでも都道府県レベルでの分類をしてくれるが、Google Analyticsは、世界地図で可視的に表示してくれるほか、市区町村レベルの細かい分類もしてくれる。ある日の沖縄県の地域別アクセスを見ると那覇市や西原町からのアクセスに次いでMiyagi(宮城?)からのアクセスが記録されていた。これは、ひょっとして浦添市宮城地域のことなのだろうか。これはあまりにも詳しすぎる。

また「ウェブ デザインの情報」という項目では、訪問者の閲覧ソフトの分類、ディスプレイの解像度、色数はもちろんのこと回線速度(DSL,ダイヤルアップ等の分類)、インストールされているFlashのバージョンまで調べてくれる。このデータを活用すれば今後のデザイン変更の参考になるだろう。

ただ、全ページの解析をするには全ページにGoogle Analytics用のJavaScriptを埋め込まなければならない。これは厄介だが、Movable Typeを使ってサイトを構築している場合は、テンプレートに追加して再構築すれば簡単である。(また閲覧者側でJavaScriptを切ってしまえば、その閲覧者のデータは解析されない)

さて、まだまだ紹介できないぐらい詳しいデータを提供してくれるGoogle Analyticsのサービスを受けるには次のような手順を踏むことになるので興味をもたれた方は参考にしていただきたい。

  1. GoogleアカウントやGmailアカウントを持っていることが申し込みの条件になるので、アカウントを持っていない人は予めGoogleのページでアカウントを取得しておく
  2. このページの「今すぐお申し込み」のリンクから氏名と連絡先メールアドレスを入力して申し込む。申し込み後1~2日程度で「招待コード」が書かれた英文のメールが届く
  3. 私のような英語が苦手な人のために、そのメールの中には日本語の解説ページのリンクがあるので、英語が苦手な人はそこにアクセスして説明を熟読する
  4. ちゃんと日本語の申し込み画面が用意されているので、説明通り手続きを進めていく。途中で招待コードを入力するページがあるので、メールに書かれている招待コードを入力する
  5. 画面の説明通り手続きを進めていくとJavaScriptのコードが表示されるので、これを自分のページのすべてのHTMLファイルに埋め込み、サーバーにアップロードする
  6. ログイン画面からログインして「ステータスを確認」ボタンを押し「データの待機中 Analytics を正常にインストールし、データの収集を開始しました」と出たら、まずはOK
  7. 解析データの閲覧は「データの待機中」になってから約24時間後から可能になる

個人サイトで利用する場合の注意点

  • 「コンバージョン目標」は個人サイトや、ショッピングサイトやメンバーを登録させるようなサイトを運営していない限り設定しなくてよい
  • ログイン後の画面で「経営層」「マーケティング担当者」「ウェブマスター」で表示項目をわけるようになっている。これは設定で不要なものを表示しなくすることもできる。個人サイトでは「ウェブマスター」だけで十分
  • この記事で取り上げた地域情報は「すべてのレポート マーケティングの最適化」で見ることができるので、表示させておくことをお勧めする(デフォルトで表示)

なお、Google Analyticsのアカウントは1個で複数のサイトのアクセス解析を別々に管理することができ、また自分以外の複数のメンバーにも、それぞれアクセス権を設定してデータを見ることができるようにすることもできる。当然、無料で利用でき、他のフリーのアクセス解析サービスとは違い広告は入らない。

[2007年3月9日追記]
過去に作ったホームページにもGoogle Analyticsのコードを貼り付けたいけど、ページ数が膨大という方にはフリーウェアで下記のようなツールが開発されているので、活用してみてはいかがだろうか。

GoogleAnalytics tool (Windows対応)
http://www.vector.co.jp/soft/win95/net/se417057.html